【体験】生前整理をせずに亡くなった祖母の遺品整理が過酷すぎて後悔

私の母方の祖母の話なのですが、祖母は昔から家事や掃除が苦手な人でした。実は祖母の家は裕福な家庭でお手伝いさんが何人も居たと言います。祖母が子供の頃から専属のお手伝いさんが付くなど、戦時中とは思えぬ贅沢な環境で育ったのです。

その為いわゆるお嬢様といったように育ち、成人して親になって初めて炊事洗濯をしたと言っていました。このお嬢様育ちの体質は中々抜けず、その後年老いてからも掃除機すら購入していないと話していました。また最期を迎える直前まで仕事をしていた祖母に対し、私と母が生前整理をするよう勧めていました。

祖母は高齢でしたから電気代や年金受給の手続きを理解することが難しく、現在の年金受給状況や光熱費の契約内容を確認できる書類も見当たらないと言っていたからです。加えて祖母は離れで一人暮らしをしていましたから頻繁に祖母の家へ整理の手伝いに行くことが出来ないので、早め早めに生前整理を始めておくべきだと勧めたのです。

しかし頑固だった祖母は「出来ないものは出来ない」と最初から決めつけてしまい、契約書類をまとめることすら難しくて出来ないと言って私達の話を一切聞いてくれませんでした。母はそんな祖母の様子を見て、祖母がもし亡くなった時に遺品整理をスムーズに行なえるのかと不安に駆られていつも頭を悩ませていました。

そんな祖母が4年前に突然他界し、遺品整理を母と私が中心になって行なうことになりました。私は当初遺品整理の大変さなどは全く想像も出来ずにおり、むしろ遺品の中に懐かしい品々があるのではなどと楽観的な考え方でいました。しかしいざ遺品整理を始めると様々な問題が発生しました。

まず祖母の家が想像を絶するまでに汚れており足の踏み場がありませんでした。ホコリや蜘蛛の巣はもちろん、ペットボトルや紙パックの資源類が散乱していたのです。またごみ類も大袋に入れたまま家の中に放置されていました。こうした様を目の当たりにした瞬間、祖母が掃除を苦手と言っていただけでなく高齢になってからごみ出しのルールが分からなくなっていたのだと確信しました。

再生可能な資源とごみの分別、またごみ出しの曜日などはややこしく高齢な祖母には覚えるのが難しかったのでしょう。そこで最初は部屋の大掃除から始めました。今思えば一人暮らしなのですから何か困り事はないかと日頃から声掛けをしてあげれば良かったと後悔しています。

一週間以上かけて大掃除をしたのち、やっと遺品整理を始めることが出来たのですが遺品の中に古い記念切手や紙幣が大量に出てきました。当初これらの貴重品をどのように整理するべきか大変悩みましたが、祖母は全く蓄えがないまま亡くなってしまい葬儀やお墓を建てる資金を一切残してくれなかったので、これらの貴重品を買い取ってもらい葬儀の資金に充当することにしました。

早速私が貴重品を持って買取り業者の店舗へ向かい査定して貰った結果、なんと合計で約6万円ほどの高値で買取りが成立しました。一見ただの切手にしか見えなかったので、まさかここまで高価で買取りしてもらえるとは思わず大変驚きました。

その後も遺品整理を行ない、結局全ての遺品を片付けるまでに1ヶ月ほどかかりました。母も私もここまで大変な作業だとは思ってもいませんでしたので、いかに生前整理が重要なのかを痛感しました。また母はまだ高齢ではないものの、自身も早くから終活を行なうべきだと言って帰宅してからは父にも終活を始めないかと相談していました。

祖母という身近な存在の親族が亡くなったことで生前整理の重要さ、そして課題点を多く実感しました。それまで単なる整理整頓だけを想像していた私は、終活という意味での整理とは何かを初めて知ったのです。

まず実感したのは、生前整理は生前という名の通り日頃の生活基盤を見直して自分なりに片付けを行ない、家族が生活状況をすぐに把握できるようにすることの重要性です。物理的な整理整頓だけでなく、生活ルールや光熱費の契約書類などをカテゴリ別にまとめる作業が大切なのです。例えば高齢になって理解が難しいと感じるようになった書類はファイルにまとめて入れておき親族が引き継ぎしやすいように整理しておいたり、ごみ出しのルール表を事前に家族で共有していつ家族が祖母の家を訪れてもごみの分別に困らないよう工夫するといったことです。祖母は病気などを患っていませんでしたが、そうした健康な高齢者の方こそ突然来るやも知れぬ最期に備えて事前に片付けや整理作業を行なうべきだと思いました。

また遺品整理の際に掛け軸や絵画など価値の高い品々があった場合、誰がどのようにして高額な品々を管理すれば良いのか迷われる方が多いかと思います。その場合は大切な遺品ではありますが気持ちに踏ん切りをつけて業者に買取りを依頼することも選択肢にあって然るべきだと思います。一般人から見ればごく普通な品でもプロが査定すると驚きの高値がつくケースも多いようです。高価で買取りしてもらった資金を故人を偲ぶ会や墓石を建てる際の費用に使えば、故人に対し失礼のない形で資金が循環すると思います。

終活に関しては年代によって済ませておくべき内容が大きく変わってくると思います。例えば祖母は古い世代の携帯電話を長年使用していましたので契約解除の手続きは比較的簡単に行なうことが出来ました。複雑なプランを契約していなかったことや、契約書類がすぐに見つかったことが幸いしたのですが、もしスマホやPCを使用していたら一層解約手続きに時間を要すると思います。

また祖母は家に入って来た野良猫の世話をたまにしていたようでした。祖母の場合世話をしていたのは野良猫でしたが、これがペットだったならば新たな問題が発生するでしょう。もし高齢になってからペットを飼いたいと検討しているのであれば、終活の一環としてペットのその後を誰に託すのかを具体的に計画しておく必要があります。

このように亡くなるまでの間に身の回りの整理を「終える」だけに留まらず、いかに残された家族へ円滑に「託す」ことが出来るかという視点で終活を行なわないと盲点が後から出てしまいます。携帯電話・光熱費などの契約解除や部屋の片付けと並行して、死後においても「終えることが出来ない」物事はないかと広い観点から生活を見つめ直すことが大事だと感じました。これから終活をする方にはぜひこうした観点を含めた上で、これまでの人生の大まとめをする気持ちで前向きに活動をして頂きたいと願っています。